<全体概況>
9月末には全国的に「緊急事態宣言」および「まん延防止措置」の解除、10月下旬には首都圏1都3県や大阪府の時短営業要請の解除があり、好調が続くFF洋風の牽引で全体売り上げはほぼ前年並みの99.5%、コロナ禍前の一昨年比では93.9%にまで回復したが、パブ・居酒屋業態は酒類提供が再開されてもなお苦戦が続き、前年比で69.2%、一昨年比で46.5%であった。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・FFSは、堅調な「洋風」に支えられ売り上げは前年比105.4%、コロナ禍前の前々年比では107.5%となった。
・「洋風」はテイクアウト・デリバリーが引き続き好調で売り上げ111.8%、コロナ禍前の一昨年対比では122.2%となった。「和風」は、営業時間短縮や店舗数減少などから、売り上げは98.1%となった。「麺類」は、緊急事態宣言解除後も通勤客の戻りが鈍いビジネス街での集客に苦戦し、全体売り上げ95.5%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、引き続き高いテイクアウト需要により、売り上げは前年比105.9%となった。「その他」は、「アイスクリーム」のハロウィン限定キャンペーンやショッピングセンターの来客増などから、売り上げ102.5%であった。

■ファミリーレストラン業態
・FRは、緊急事態宣言などの解除後も地域によっては時短営業や酒類提供自粛の要請が続いたことから、全体売り上げは93.5%(一昨年比84.1%)。また、ランチタイムの客足は戻ってきたものの、ディナータイムでは依然ふるわず、「洋風」の売り上げは92.9%、「和風」は88.7%。一方「中華」は、引き続きテイクアウト・デリバリーが貢献し、売り上げ99.9%。「焼き肉」は、下旬にようやく営業時間が元通りになり、売り上げ96.7%となった。

■パブ・居酒屋業態
・飲酒業態は、酒類の提供制限により休業店舗が多かった前月に比べ、10月の制限解除後は店舗が徐々に再開されたものの、再開ペースは店によって異なり、依然厳しい状況が続いている。パブ・居酒屋業態全体の売り上げは前年比69.2%、一昨年比では46.5%となった。「パブ・ビアホール」の売り上げは77.2%(一昨年比41.7%)、「居酒屋」は64.9%(一昨年比50.3%)。
・「パブ・ビアホール」の売り上げは26.7%(一昨年比11.3%)、「居酒屋」は16.8%(一昨年比8.6%)であった。

■ディナーレストラン業態
・営業時間の短縮要請が段階的に解除され個人客の戻りは見られるものの、大人数宴会や法人需要はまだ戻ってきていない。個人需要は郊外店舗を中心に客足が戻りつつあり、売り上げは89.9%(一昨年比では74.0%)になった。

■喫茶業態
・依緊急事態宣言の解除などにより、繁華街立地やターミナル駅の店舗では客の戻りがあったが、一方でオフィス街は人が戻らず、売り上げは96.5%となった(一昨年対比では76.9%)。