<全体概況>
外食産業の12月度売上状況は対前年比101.8%と3ヵ月連続で前年を上回った。クリスマスなどの年末のイベント需要もあり、外食産業全体として堅調に推移し、ファーストフード、ファミリーレストラン、ディナーレストランの3業態で売上高が前年を上回った。前年と比べ土曜日が1日多く、また雨天日が、東京では1日増えたものの、大阪では7日減となったことも業界全体の売上増に寄与したと思われる。12月の平均気温は前年と比べ、東京で△2.4℃、大阪で△0.9℃と冷え込んだが、麺類や鍋などの季節商品にはプラスに寄与した。ファミリーレストラン業態の焼き肉はセシウム汚染牛肉などの風評被害の影響が薄れつつあり、前月の対前年比88.0%と比べ今月は95.5%と回復の兆しが見えはじめた。

<業態別概況>
■ファーストフード業態
売上高は104.0%と4ヵ月連続して前年を上回った。業種別では、洋風の売上が新製品の投入や販促キャンペーン、クリスマス・年末の需要増などにより前年比103.9%、和風は季節メニューのヒットや新メニューのメディア露出等が奏功し同106.6%と好調であった。麺類も季節商品であることや大晦日営業などが売上に寄与し、前年比で113.1%と変わらず好調であった。唯一売上が前年を下回ったのは持ち帰り米飯・回転寿司だが、年末に近づくと需要が増え、前年比93.7%と前月の92.7%からは持ち直した。

■ファミリーレストラン業態
客数100.3%、客単価99.7%、売上高100%とほぼ前年並みであった。和風は鍋物等の季節メニュー、中華はクリスマス・忘年会プランや販促キャンペーンでそれぞれ需要を取り込み、売上はともに前年を上回った。一方、洋風は季節限定フェア、忘年会キャンペーン等の年末需要が増えて好調に推移した企業がある反面、天候不良や地域のばらつきにより売上減の企業もあり、この部門全体の売上は前年より若干下回った。焼き肉は前年比95.5%の売上であったが、メニューの変更、店舗改装、年末イベントプラン等の努力により風評被害で遠のいていた客足は戻りつつある。

■パブ・居酒屋業態
業態全体の売上は前年比98.4%となった。業種別には、パブ・ビアホールが待ち合わせや2次会などのワンポイント需要の幅を広げ、103.3%の売上で10月以来好調を維持している。居酒屋も宴会キャンペーンやお得メニューなどで顧客の獲得に努めているが、売上は前年に及ばず97.8%となった。

■ディナーレストラン業態
・ 売上は100.3%と9月以来わずかだが連続して前年を上回っている。大震災以降の自粛ムードが一服し、クリスマス・年末の需要は堅調であったが、地域によっては降雪がマイナスに作用した。

■喫茶業態
客数は100.3%と緩やかに回復しているが、昨年同期に客単価の高いフードメニューが出た反動などもあり、客単価が微減し、売上高は前年比99.6%にとどまった。