原発事故後初となるコメの収穫期を前に、放射性物質の検査にあたる自治体が戦々恐々としている。
 「主食のコメの安全は特に重要」として、農林水産省では収穫の前後2段階の検査を指示しているが、野菜、魚、肉牛、稲わら……と汚染の不安が次々と広がる中、既に検査業務はパンク寸前だ。福島県のように食品だけで約200品目を調べなければいけない自治体もあり、各地から「とてもコメまで手が回らない」との焦りが聞こえてくる。キュウリ、ピーマン、サヤインゲン、サトイモ、枝豆、梨、桃、シラス、アワビ、アイナメ、イワガキ……。福島県では事故後、野菜80品目、果物10品目、魚介類90品目、肉や卵、原乳などの食品を検査してきた。これまでの検査回数は延べ4000回以上。このほか土壌や水道水、牧草、焼却灰、汚泥なども調べ、検査は土日もフル稼働だ。
 その上、9月からはコメ検査が加わる。まず、土壌の放射性セシウムの濃度が高いなどとして農水省から指定された地域など県内402地点で「予備検査」を行う。収穫後は「本検査」を行うが、予備検査でコメ1キロ当たり同セシウムが200ベクレルを上回った市町村では15ヘクタールにつき2か所ずつ検査しなくてはならなくなる。県内では今年、約7万ヘクタールの水田で作付けされており、検査箇所が膨れあがる可能性もある。
パンク寸前でも人手を増やして24時間稼動で検査していかないと日本の食品の信用と生命に関わる問題でもあるのでいけないと思う。 専務 小栗豊人