消費低迷が続くなかでコンビニエンスストアの健闘が注目を集めています。1人当たりの購入額である平均客単価は1月に4.4%増の602円と2カ月連続で伸び、来店客数は3カ月連続で増えました。採算の良い高価格の弁当やデザート類の販売好調がけん引役です。
 一方で、低価格・高品質を売り物とする一部の衣料チェーンが一時の勢いを失いつつあります。安さを売り物にする外食チェーンの一部でも集客に陰りが出てきたところがあります。
 消費者の低価格志向--。日本の消費を語る際に判で押したように使われるこの言葉ですが、ひょっとしたら変化の兆しが生まれようとしているのかもしれません。
 世界的な食料・原料高、日本など先進国のデフレ傾向という複雑なマクロ環境のなかでこうした動きをどうとらえるべきなのか。悩ましい春を迎えることになりそうです。
      (日経MJ 滝川 盛幹さん)