コメダ珈琲東京進出へ (2010/05/15)
喫茶店は、座席とテーブルがあって、フルサービスで飲食を提供してくれる既存型喫茶店、例えば銀座ルノアールやカフェコロラドなどと、スターバックスコーヒーやドトールコーヒーなどのセルフサービス型カフェに分けられる。ここ数年、威勢が良いのはセルフサービス型カフェで、既存型をどんどん駆逐していき、街中にはカフェがあふれている。こうした傾向は都心部でより強い。
反面、地方にはその地方独自に発展している喫茶店が存在していて、とてつもなく強い人気を誇っていたりする。その最たる例が名古屋を中心とした中部一円で人気のコメダ珈琲だ。
ちなみに、喫茶店市場は2008年で、約1兆4500億円市場(民間調査機関「富士経済」が発表)で毎年堅調(1~3%の間)に拡大しているといわれている。外食業界全体が厳しいと言われる昨今、新規参入などにチャンスがある数少ない市場となっている。
特に元気なのは、スターバックスコーヒーとコメダ珈琲ではないだろうか。
スターバックスコーヒーは、日本に「ラテ(エスプレッソにミルクを入れたコーヒー)」を定着させたといわれる1996年に日本1号店をオープンしたセルフサービスカフェだ。2009年3月期は、金融危機などによる世界同時不況の影響を受けて、過去最高益というわけにはいかなかったが、それでも微減に留めた。その前年の2008年3月期は過去最高売上最高利益であったことを考慮すると、元気な企業と言えそうだ。
スターバックスコーヒーが元気な企業の理由は、消費者ニーズに合致しているからではなく、消費者ニーズを作り出しているからと言われている。言い換えれば潜在ニーズを顕在化することがとてもうまいと言えそうだ。
日本に上陸してしばらくは「都会的でおしゃれで新たな憩い場」的なブランディングでおもに若い女性のニーズを発掘し、その後主婦層のニーズに合致させ、最近では「スターバックで食事もしたい」や郊外に出店し「ドライブの途中でもスターバックスで休憩したい」という過去にはなかったニーズすら顕在化させている。
また、コメダ珈琲は、名古屋では「知らない人はいない」と言われるくらいの超々有名店だが、その他の地域ではほとんど知られていない「ローカルスター」だ。
そのコメダ珈琲が「全国のスター」を目指して東京に本格的に出店してきた。当初はフルサービス型喫茶店は、「東京では人気が下降気味だから成功しにくいのでは」「東京には喫茶店文化がないので中部では文化の一部となっているコメダ珈琲はどうか」などと懸念の声が多かったが、オープンしたらほとんどの店舗で昼間は満席状態が続くほどの人気になり、今ではポストファミリーレストランの一番手のとされている。
コメダ珈琲が東京で受け入れられた要因は、「お値打ち感」と「安心感」であろう。コメダ珈琲のメニューは、フードが充実し、十分食事需要にも対応できるメニュー構成となっているが、ドトールコーヒーなどに比べれば高い。しかし東京での出店立地の競合相手は、おもにファミリーレストランで、それに比べてば2~3割は安い。これがお値打ち感となっている。
また安心感とは、何時間粘ろうとも「帰れプレッシャー」をかけないことにある。喫茶店でよくあるが、お客様がコーヒーなどを飲み終えていると、水を頻繁に継ぎ足しにくることやお茶を出すことがある。これはお客様にとっては明らかに「帰れプレッシャー」だ。コメダ珈琲は、こうした行為をしないようで、平気で3時間4時間と粘るお客様がいるらしい。でもお客様にとってこれはゆったりできる安心感に繋がる。
このコメダ珈琲のような業態が、実は目立ち出している。
ファミリーレストランは飲食業として斜陽期に入って言われている。とはいえ、郊外での食事や休憩のニーズがなくなったわけではない。
その受け皿として、郊外型のスターバックスコーヒーやコメダ珈琲が脚光を浴びはじめている。これはチャンス。日本の外食産業を牽引してきたファミリーレストランの市場が目の前に広がっているのだ。
ということで、スターバックスコーヒーやコメダ珈琲に続けとばかりに、いくつかの喫茶店が郊外型に進出を始めている。例えば珈琲館はフルサービス型で都心中心の喫茶店であり、売上高も店舗数も減少の一途をたどっていたが、UCC上島珈琲の傘下に入るや否や、郊外型にシフトし、息を吹き返している。
喫茶店(特に街中のフルサービス型喫茶店)は、昔からある誰にでもできるビジネスのイメージが強く、時代遅れ的な感があった。ところがロードサイドでは最先端な業態だ。喫茶店市場に参入するのであれば、ロードサイド立地で、今がチャンスだと言える。
反面、地方にはその地方独自に発展している喫茶店が存在していて、とてつもなく強い人気を誇っていたりする。その最たる例が名古屋を中心とした中部一円で人気のコメダ珈琲だ。
ちなみに、喫茶店市場は2008年で、約1兆4500億円市場(民間調査機関「富士経済」が発表)で毎年堅調(1~3%の間)に拡大しているといわれている。外食業界全体が厳しいと言われる昨今、新規参入などにチャンスがある数少ない市場となっている。
特に元気なのは、スターバックスコーヒーとコメダ珈琲ではないだろうか。
スターバックスコーヒーは、日本に「ラテ(エスプレッソにミルクを入れたコーヒー)」を定着させたといわれる1996年に日本1号店をオープンしたセルフサービスカフェだ。2009年3月期は、金融危機などによる世界同時不況の影響を受けて、過去最高益というわけにはいかなかったが、それでも微減に留めた。その前年の2008年3月期は過去最高売上最高利益であったことを考慮すると、元気な企業と言えそうだ。
スターバックスコーヒーが元気な企業の理由は、消費者ニーズに合致しているからではなく、消費者ニーズを作り出しているからと言われている。言い換えれば潜在ニーズを顕在化することがとてもうまいと言えそうだ。
日本に上陸してしばらくは「都会的でおしゃれで新たな憩い場」的なブランディングでおもに若い女性のニーズを発掘し、その後主婦層のニーズに合致させ、最近では「スターバックで食事もしたい」や郊外に出店し「ドライブの途中でもスターバックスで休憩したい」という過去にはなかったニーズすら顕在化させている。
また、コメダ珈琲は、名古屋では「知らない人はいない」と言われるくらいの超々有名店だが、その他の地域ではほとんど知られていない「ローカルスター」だ。
そのコメダ珈琲が「全国のスター」を目指して東京に本格的に出店してきた。当初はフルサービス型喫茶店は、「東京では人気が下降気味だから成功しにくいのでは」「東京には喫茶店文化がないので中部では文化の一部となっているコメダ珈琲はどうか」などと懸念の声が多かったが、オープンしたらほとんどの店舗で昼間は満席状態が続くほどの人気になり、今ではポストファミリーレストランの一番手のとされている。
コメダ珈琲が東京で受け入れられた要因は、「お値打ち感」と「安心感」であろう。コメダ珈琲のメニューは、フードが充実し、十分食事需要にも対応できるメニュー構成となっているが、ドトールコーヒーなどに比べれば高い。しかし東京での出店立地の競合相手は、おもにファミリーレストランで、それに比べてば2~3割は安い。これがお値打ち感となっている。
また安心感とは、何時間粘ろうとも「帰れプレッシャー」をかけないことにある。喫茶店でよくあるが、お客様がコーヒーなどを飲み終えていると、水を頻繁に継ぎ足しにくることやお茶を出すことがある。これはお客様にとっては明らかに「帰れプレッシャー」だ。コメダ珈琲は、こうした行為をしないようで、平気で3時間4時間と粘るお客様がいるらしい。でもお客様にとってこれはゆったりできる安心感に繋がる。
このコメダ珈琲のような業態が、実は目立ち出している。
ファミリーレストランは飲食業として斜陽期に入って言われている。とはいえ、郊外での食事や休憩のニーズがなくなったわけではない。
その受け皿として、郊外型のスターバックスコーヒーやコメダ珈琲が脚光を浴びはじめている。これはチャンス。日本の外食産業を牽引してきたファミリーレストランの市場が目の前に広がっているのだ。
ということで、スターバックスコーヒーやコメダ珈琲に続けとばかりに、いくつかの喫茶店が郊外型に進出を始めている。例えば珈琲館はフルサービス型で都心中心の喫茶店であり、売上高も店舗数も減少の一途をたどっていたが、UCC上島珈琲の傘下に入るや否や、郊外型にシフトし、息を吹き返している。
喫茶店(特に街中のフルサービス型喫茶店)は、昔からある誰にでもできるビジネスのイメージが強く、時代遅れ的な感があった。ところがロードサイドでは最先端な業態だ。喫茶店市場に参入するのであれば、ロードサイド立地で、今がチャンスだと言える。