ウナギの「完全養殖」に世界で初めて成功した独立行政法人・水産総合研究センターは29日から、栃木県日光市中宮祠のさかなと森の観察園で、特別展「うなぎのふしぎ展」を開き、完全養殖で生まれたウナギの子どもを初めて一般公開する。
 完全養殖は、人工孵化したウナギを成魚まで成長させて、稚魚を誕生させる取り組み。特別展では、今年3月27日に生まれて約1・5センチに成長したウナギの子どもを標本ビンに入れて公開し、泳ぎ回ったり、餌を食べたりする様子を見てもらう。このほか、完全養殖が成功するまでの研究を説明するパネルや、産卵場所のマリアナ海域で捕れた成熟ウナギの標本などを展示、実際にウナギに触ることができるコーナーも設ける。
 完全養殖の研究はこれまで、天然の稚魚を成魚まで育てて精子と卵を取って人工授精させるまで行っていたが、生まれた魚は成魚まで成長しなかった。同センターは、人工孵化させた稚魚にサメの卵を使った特殊な餌を与えて成育させた後、ホルモン注射をすると、精子と卵を作るまで成長した。精子と卵を取って、人工授精したところ孵化に成功したという。
 同園を運営する同センター中央水産研究所は「世界で初めて完全養殖に成功したことを広く一般の人に知ってほしい。何気なく食べているウナギに科学的な興味を持ってもらえれば」と話している。
 今年は世界的に稚魚が不良のようでうなぎの価格は高騰するようです、安値で安定供給できるために一日も早く完全養殖が確立されることを期待します。ただ・・・将来的には浜名湖名産と謳えなくなる可能性もありますよねぇ。  専務 小栗豊人