さて今日は、日経レストランが選んだ「2009年の外食ヒットランキング」をお伝えします。
★6位 漁師系居酒屋

 トロ箱を積み上げた店舗に裸電球がぶら下がり、威勢のいい店員が接客する。メ
ニューは、刺身や魚介類のあぶり焼きなどが中心で、価格も300円台から1000円以下
と手ごろ。「トロ函」(東京・赤羽、上野など)、「根室食堂」(東京・新橋、渋谷
など)が代表的。

★7位 トマト鍋

 トマトを入れた鍋。ミネストローネを日本の鍋にアレンジしたような料理だ。いろ
いろな店でメニューに取り入れているほか、カゴメがトマト鍋用のスープを商品化す
るなど、家庭にも広がっている。

★8位 格安ワイン

 1000円を切る格安のワインが続々登場。ボージョレ・ヌーボーも、イオンで980円、
西友で880円といった価格破壊品を販売し、話題となった。

★9位 肉のテーマパーク

 小さな店が集まった横丁スタイルの“肉のテーマパーク”が次々オープン。東京・
神田の「神田ミートセンター」、新宿の「ホルモン横丁」、そして、南大沢(八王子)
の「東京ミートレア」と続いた。「とんかつパフェ」といった斬新なメニューも。

★10位 タジン

 「タジン」はモロッコやチュニジアなど北アフリカの煮込み料理で、タジン鍋はふ
たが三角錐の特徴的な形をした鍋。タジンをメインに据えた店も続々登場した。タジ
ン鍋そのものも通販などでよく売れた。


★3位 ハイボール

 ウイスキーを炭酸水で割ったもの。最近は、シャンパン(スパークリングワイン)
の人気が急速に高まり、日本酒でも発泡性の商品が増えるなど、泡モノが脚光を浴び
ている。ハイボールは水割りに比べ、味わいが軽やかで食事と一緒にも楽しめる。最
近は、ファストフードの「バーガーキング」でも提供を始めている。

★4位 ノンアルコールビール

 4月にキリンビールが、全くアルコールを含まないビールテイスト飲料「キリンフリ
ー」を発売し、大人気に。道路交通法で売り上げが減った飲食店の“救世主”的ドリ
ンクとなった。大手ビールメーカが次々と追随し、アサヒは「ポイントゼロ」、サッ
ポロは「スーパークリア」、サントリーは「ファインゼロ」を出している。

★5位 ホルモン

 ホルモン専門店が急増し、「ホルモンヌ」(ホルモン好きの女子)なる言葉も生まれ
た。五苑マルシングループが4年前から展開している「情熱ホルモン」はここにきて急
増。2009年中に約190店舗に達する。


★2位 餃子の王将

 今年最もマスコミに取り上げられた飲食店の一つ。「チェーンだが、店舗運営の自
由度が高く、メニューや販促は各店の店長がかなり独自に決めている」といった話
は、今や一般消費者も知っている。


★1位 均一価格居酒屋

 280円、300円といった、安価な均一価格の居酒屋が続々登場し、人気を集めた。代
表格が「鳥貴族」(280円均一)。ほかに、モンテローザの「笑笑300円厨房」(300円
均一)、コロワイド東日本の「うまいもん酒場えこひいき」(299円均一)、三光マー
ケティングフーズの「東方見聞録」(270円均一)などがあり、各社さらなる拡大を
図っている。


 こう見てくると、「気取らない」「高くない」「長居しない」という「3ない」を
満たすものが流行っています。ヘルシー志向が根強い中、肉の人気が高まっているの
も今年の傾向です。「安くガッツリ食べることで、元気をもらいたい」という気持ち
が表れているように感じます。

 ちなみに、番外編は――。

★「家飲み」……外食を控え、家で飲み食いを楽しむ人は増えましたね。今はお取り
寄せなどでいろいろな食品が手に入るようになったので、かなり豪華な家飲みが可能
ですから。

★「植物工場」……今年の秋ごろから、急に耳にすることが増えました。大戸屋で導
入し始めており、試験的に設置しているところも多く、農林水産省の報告書に載って
いるだけで全国50カ所に上ります。