これから,本格化する高齢化社会。
経験豊かなお年寄りが増えることは,若い人たちにとって知恵を授けてもらえますから,
よいことであります。
経験しなければわからないことは,人生においてまた経営においてたくさんあります。

しかし,気をつけなければいけないこともあります。
年上の人たちが増えてくると,年下は年上を頼ってしまうということです。
それも無意識に,です。

わからないこと疑問に思うことを,経験豊かな年上の人たちに訊けば,明快に答えてくれます。
また様々な困難を乗り越えてきた年上の人の話を聴くことによって気づくことも多々あります。

なるほど!そういうことか!
感心してまた年上の人に教えを無意識に請うてしまいます。
教えてもらえればヒントやアドバイスをもらえます。

しかし,ここが落とし穴です。
すぐに請うと自分で考える習慣を失います。
答えがない中で,こうかな?ああかな?
と自分で思案することにより,思考力は高まります。
あれこれ仮説を立てることにより,
想像力が磨かれ経営者に最も必要な力「勘」が磨かれます。
年上の人に頼りすぎることは,自分の思考力,想像力,勘の力を低下させてしまうのです。

年上の人たちが増えてくると,無意識に「教えを請う」ことをしがちです。
その前に,自分なりに考え自説を立てることを心がけることが肝要です。