今日は最近環境問題にもなっている割り箸の問題の記事です。
居酒屋「八剣伝」「居心伝」などを展開するマルシェは2005年10月から「愛のマイ箸1億人運動」を実施。その取り組みが大幅な売り上げ増につながるケースが相次いでいる。

同社によると、日本では年間に約257億膳の割り箸が使用される。一方、日本の割り箸の9割以上を担う中国では森が消えつつある。マルシェはその情報を知り、2005年7月から徐々に割り箸の利用を止め、2006年2月には全店で完全に洗い箸へと切り替えた。

それと平行してお客に自分専用の箸を持ってもらうことを狙い、店舗でマイ箸を販売したり、マイ箸の利用1回ごとに1ポイント与え、10ポイント貯まると500円の飲食券をプレゼントするマイ箸ポイントカードをスタートさせた。

ただ、お客にしてみれば毎回箸を持って店に行くのは面倒くさい。そこで、「八剣伝」のある店が独自に「マイ箸キープサービス」を始めたところ、開始から1週間でキープ数が100膳(今では300膳)を超え、売り上げも2006年7月には前年比125%、8月には139%となった。

「単にポスターを張るのではなく、マイ箸の意義を一人ひとりに熱意を持って説明した」(同社)のがキープ数増加の理由。「さらに、キープしてくれたお客様の顔と名前をできるだけ覚え、名前を言われる前に箸を提供したり、名前を呼んで接客できるようになったことがお客様との距離を縮めた」(同社)。そのやり方をまねて、複数の店がやはり売り上げを伸ばしたという。

気になるコストは、同社の割り箸が1膳1円強なのに対し、洗い箸は135円。「水道代や人件費を考えても1年で元は取れるし、2年はもつので、今後、割り箸の値段が高騰してくればコスト的なメリットはさらに大きくなる」と同社。2007年は、環境に優しく、コスト節減になり、お客との距離も縮めるツールとしてマイ箸に注目したい。