<全体概況>
10月は11日より「全国旅行支援」や「水際対策の大幅緩和」が始まり、秋の訪れとともに全国で人の流れが活発化し、おおむね店舗数減少の中でも客数増となり、価格改定による客単価増とあいまって、全体売り上げは114.8%となった。業態によって差異はあるが、全体では19年対比で初めてコロナ以前を上回り105.5%になった。しかし、新たにインフレとの闘いという難問に直面している。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・テイクアウト・デリバリーの堅調に加え、店内飲食も戻り、全体売り上げは109.9%となった。
・「洋風」は、秋の定番メニューと新商品の好調に、宣伝効果もあり、売り上げは110.8%。「和風」は、朝食の販売促進とデリバリーの増加などで、売り上げ111.0%。「麺類」は、季節限定メニューが好評で売り上げ113.0%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「持ち帰り米飯」でのサイドメニューの増加や価格改定による客単価上昇で売り上げ105.1%。「その他」は、「アイスクリーム」がハロウィンキャンペーンにより都心部のイートインが回復し、売り上げ107.1%となった。

■ファミリーレストラン業態
・店内飲食の回復に伴い、各地の営業制限が続いた前年との対比では120.3%になったが、19年対比では96.7%にとどまる。夜間の客数の戻りは鈍く、来店目的が明確な専門店ほど回復傾向が強い。
・「洋風」は、主に昼間の客数が順調に回復し、売り上げ121.3%。「和風」は、インバウンド需要に回復の兆しがあり売り上げ120.6%。「中華」は、テイクアウト・デリバリーが堅調で売り上げ118.3%。「焼き肉」は、価格維持の店舗がある中でも客数増により売り上げ118.2%。

■パブ・居酒屋業態
・営業制限のあった前年との対比では、店舗数94.4%、客数137.9%、客単価108.5%、売り上げ149.7%となった(19年比では63.4%)。小人数の個人客中心に回復基調が続いているが、夜間の二次会需要や法人の宴会需要等は戻りが非常に鈍い。

■ディナーレストラン業態
・コロナへの警戒感が薄れたせいか店内需要が戻りはじめ、売り上げは124.8%となった。また観光地などの立地によっては、訪日外国人客も戻りはじめ、19年比でも93.4%にまで回復してきたが、人手不足で営業時間を増やせない。

■喫茶業態
・昼間の客数の回復を中心に、価格改定や季節限定の付加価値商品の導入などで客単価が上昇し、売り上げは前年比119.0%。だが夕方以降の集客が芳しくなく、19年対比では90.0%にとどまる。